当園はポットと特殊な培土、液肥による「養液栽培」でブルーベリー等を育てております。
甘党の園主が「どの実もしっかり甘く、味を濃く」にこだわり、高品質の実を安定的に提供すべく選び・研究している栽培方法です。
使用している培土は清潔で環境に優しいスポンジ状の資材です。
保水性と通気性を兼ね備えた培土はブルーベリーにとって理想的な環境を作り出し、木のストレス・実の酸味を抑えます。
その特殊な培土に液肥を季節や天候によって量を調節しながら点滴潅水していくことで、過不足の無い水分と栄養を根にしっかり供給できます。
液肥は有機肥料や微量要素を中心に、根を健康に保つための自然資材や光合成を促進させる栄養分をブレンドし、さらに栄養価・抗酸化力・糖度の高い実を目指しています。
美味しさのための季節の作業
春
梅の花が咲くころから、少しずつ養液の点滴潅水を始めていきます。
冬の間に花芽の数を少なくしておきますが、花が咲いてからも花の数を制限して木の負担を減らし、一つ一つの実がきちんと肥大できるようにしていきます。
蜂が活動を始める前には、自家受粉しにくい品種に人工授粉をしていきます。
幼果ができると花びらがしぼみますが、これが落ちずに残っていると病気の原因になるので、一つ一つ優しく取り除きます。
5月を過ぎると、勢いよく太い新梢が伸びてきます。
これを一定の高さで切り落とし、脇から良い枝を沢山出させることによって、良い品質の実を多くつけられるようにしていきます。
その他、新梢が傷つかないように誘引作業なども行っていきます。
植物にクラシック音楽をを聴かせると、空気の振動や音波の影響等で生育に良いらしい…
何より園主の精神衛生上とっても良い♪
ということで新芽から実が熟すまで素敵な音楽を聴かせています。
初夏
実が肥大してくるころ、雨にあたると割れてしまう品種や甘みを凝縮したい品種の上に雨よけをかけます。イチゴやラズベリーなどの木苺の上にも雨よけと防虫ネットを。
水分をしっかりコントロールすることで甘さのぎゅっとつまった高品質な実を目指します。
ハウスでは6月初め頃、露地では6月終わりころから実の収穫が始まります。
ブルーベリーの実を守る「ブルーム」という粉を落とさないように丁寧に手早く摘み取ります。
一粒一粒完熟を確かめながらの作業は経験が必要で手間がかかります。衛生管理もしっかり行います。
鮮度を保つために摘み取り後すぐに予冷します。
収穫・出荷とあわせて、害虫や病気の防除、剪定作業を適宜行っていきます。
毎日木1本1本のチェックを入念に行い、必要な処置を早めにしていけるように心がけています。
収穫が終わった木からバッサリ剪定していきます。
夏の間の剪定は通常の栽培方法では木が弱ってしまいますが、養液栽培では根のストレスを最低限に抑えて十分な栄養状態を保持しているため、夏の剪定が可能です。この剪定によって、高品質・多収が実現します。
秋
秋は翌年の結実のために大切な季節。
しっかり栄養を木に蓄えさせることによって、凍害にも強い充実した枝・花芽を作っていきます。
これが寒さに弱いとされていた品種も当地で栽培できる秘訣です。
味や収穫期のバランスをみながら新しい苗を購入・植え付けをしていきます。
日本に入ってきたばかりの新品種も実験用に導入します。
冬
木が休眠してから植え替えをしていきます。
品種によって植え替えの時期は変わりますが、コガネムシの幼虫に根が食べられてしまっていないかチェックしながら丁寧に進めます。
太いしっかりした枝のみを残し、細く力のない枝を全て落として誘引します。
また、枝1本1本に花芽をいくつ残していくかを、木の状態をみながら判断し不要な花芽を落としていきます。
無農薬?いえ、減農薬栽培です
よく「無農薬栽培ですか?」と聞かれることがあります。
この「無農薬」、実は定義があいまいなので、いつも答えに困ります。
化学農薬も自然農薬も名前は「農薬」。
有機栽培、オーガニック栽培でも自然農薬は使用しています。
自然農薬を使用していて「無農薬」…。
また、地域などによっては化学農薬使用でも規定回数までは「無農薬」と言える…。
など、「?」が多い現状です。
ベリーズパーク郡山では、基本的に有機栽培で使用される「自然農薬」しか使用しません。
化学農薬を使用しないために最大限の努力をしております。
しかし、もし木が重篤な病気になったり、悪質な害虫で皆様に害が及びそうになれば、適宜隔離して必要な消毒などの処置を施す予定です。
元医療従事者として、木と、果実を召し上がる皆様を守ることを第一に考え対処していきますので、あいまいな「無農薬」という言葉にしばられずに栽培していきたいと思います。
ご理解いただけましたら幸いです。